「里依紗だが、まぁいい。俺以外の男が里依紗と呼ぶ姿は見たくないからな。きみの質問への答えだが、難しい話をしても理解できないだろうから簡単に言うが、俺と今日いた女は仕事関係の女性だ。まぁ、向こうはそれ以上のことを望んでいるようだが、俺の方は興味がない」


「じゃあ、あなたが言う里依紗…さんが、理沙と偽ってまで一人で金曜の夜になるとお店に来るのはどうしてです?」


「さぁな…」


「あなたが、本当に愛を信じない男?」


「里依紗が言ったのか⁈そう言われても仕方ないかもな。俺の肩書きに近寄ってくる女にはウンザリしてた。簡単に好きだ、愛してるなんて言う女の言う事なんて信じられないからな。だが、里依紗はそんな女達と違って言葉にしない代わりに、俺を見つめる時の表情が好きだと言っていて、かわいいんだ」


いつのまにか、2人はガードレールに腰をかけタバコを分け合う仲になっていた。


「確かに、毎回聞かされる男の愚痴を言っている時の理沙の表情は可愛くて、この男が好きなんだなぁって思っていました。でも、毎回変わる女でいるより仕事で側にいるだけで幸せって…やっぱり、あなた彼氏じゃないですよね」


「君にそう言ってるのか…」