あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

「どうする?」

俺とエマの返事を見守って、俺とエマの顔を交互に見る。

エマが俺の手をそっと握りしめ、上目遣いで俺の顔を見て「……和音」と呟いた。

俺の表情を窺って、俺の意志を確認しているのを感じた。

「どうする?」

速水さんが再度、訊ねた。

「和音と一緒なら……」

エマが握りしめた手に、ギュッと力を込めた。

俺は祈るような気持ちで、拓斗と奏汰を振り返った。

「バーカ。なに気遣ってんだ?」

「LIBERTEの和音は揺るがないんたろ?」

俺はハッとし、深く頷いた。

「わたし、和音と演奏したい」

エマの瞳が俺の目を捉えて離さない。

「和音のヴァイオリンで和音の曲でピアノを弾きたい」

「よし」

速水さんが俺たち4人を順番に見回し、気合いを入れた。

「速水さん。エマのパート、ちゃんと興した方がいい?」