あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

それほどまでにトニーとのデュオはエマにとって、耐えがたいものだったのだと、俺は改めて感じとった。

拓斗と奏汰が俺とエマに気を遣っているのを感じとりながら、俺にはどうしていいかがわからなかった。

日を重ねるごと、共に歌ったり演奏したりするうちに、エマは明るくなっていくように見える。

速水さんと今後どうするのかも、少しずつ話しているらしい。

速水さんははっきりしたことを決められないのは、エマの気持ちがまだ定まらないからだと話した。

エマの気持ちが決まりしだい、こちらからトニーとマネジャーには連絡をとるつもりだとも。

俺はエマが長い間、辛い思いをしたぶん納得がいくまでじっくり考えていいと思っている。

エマほどの実力ならエマ自身の気持ちしだいで、いくらでも選択肢はあるし、可能性も拡がるだろうと。