あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

やつれた顔、艶のない肌、一回り近く細くなった身体、どれほど辛かっただろうと思う。

エマの肩をそっと抱き寄せた俺の肩に、エマは深く寄りかかった。

共に音を奏でる相手から認められない阻害感は、どれほどエマの心を蝕んだのだろうと思うと、どう声をかければよいのか、わからなかった。

「行き当たりばったりで来たんだろうな」

速水さんがポツリ、こぼす。

「どうするかな」

エマの失踪がバレるのは時間の問題だ。

ヘタにホテルの手配はできないし、かといって事務所所有の寮も部外者を泊めるわけにはいかない。

「まいったな」

速水さんが嘆いているのを尻目に、エマはいつのまにか俺の隣で安心仕切った様子で、うとうととしている。

「はは速水さん。お俺のいい家でよよ良ければ、へ部屋が……」

「いいのか?」

「ピピアノもああるし、かか家政婦もいるし、あー穴場かと」