ロビーに現れたエマはサングラスをかけていた。
飛行機から降りた直後、俺のスマホに着信してきたエマが待ち合わせ場所に指定したのは珈琲ショップ前。
何で珈琲ショップ前なんてオーソドックスな場所を? と思ったが、LIBERTEの綿貫和音ではなく有栖川和音ならバレる心配はない。
そう、思っていても不安で仕方なかった。
「……エ、エ、エマ、いい行くぞ」
目印はヴァイオリンケース。
俺はエマの手を取り、エマのスーツケースを握り、出口へ急ぐ。
エスカレーターを駆け降りる俺の後ろで、エマの忙しい吐息が聞こえた。
駐車場で待つ速水さんの車を目指し、バレないようにただ願いながら。
車に乗りこみ、息を調える俺の隣で同じようにエマは息を調えながらサングラスを外した。
泣きはらして真っ赤になった目と腫れぼったい目蓋が露になった。
悩んで悩み続けて、何日も泣きはらしたに違いない。
飛行機から降りた直後、俺のスマホに着信してきたエマが待ち合わせ場所に指定したのは珈琲ショップ前。
何で珈琲ショップ前なんてオーソドックスな場所を? と思ったが、LIBERTEの綿貫和音ではなく有栖川和音ならバレる心配はない。
そう、思っていても不安で仕方なかった。
「……エ、エ、エマ、いい行くぞ」
目印はヴァイオリンケース。
俺はエマの手を取り、エマのスーツケースを握り、出口へ急ぐ。
エスカレーターを駆け降りる俺の後ろで、エマの忙しい吐息が聞こえた。
駐車場で待つ速水さんの車を目指し、バレないようにただ願いながら。
車に乗りこみ、息を調える俺の隣で同じようにエマは息を調えながらサングラスを外した。
泣きはらして真っ赤になった目と腫れぼったい目蓋が露になった。
悩んで悩み続けて、何日も泣きはらしたに違いない。



