あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

パーっと明るくなった花音の顔を見て安心した。

午後からの授業は体調不良だとエスケープし、速水さんの運転で空港に向かった。

車中で制服から私服に着替えると、速水さんが「何もそんなに着崩してダサくしなくても……」と、顔をしかめた。

「ここれくらいく崩さないと、ばバーれる」

「確かにな。和音、新曲の歌詞なかなかいい感じだった。楽譜はザッと目を通したが、合格だ」

「ままマジで!?」

自信はあったが、1発OKが出るとは思わなかった。

「スタジオを押さえておく」

拓斗と奏汰にメールすると「やったな。頑張ろうぜ」と直ぐに返信がきた。

俺は1人、喜びを噛みしめウサギのストラップを手に取った。

嬉しさを表す言葉が思いつかなかった。

ほのぼのとしたウサギの顔を眺めながら、花音の笑顔を思い浮かべた。

ウサギの顔が微かに微笑んだ気がした。