全て速水さんの策略だったと気づいた。
解散を突きつけて、俺の気持ちを確かめ本気にさせるーー吃音で話すことが苦手な俺に、解散したくなければ拓斗と奏汰を自分で取り戻して来いと、煽ったのだと。
「今週中に歌を作って来い」
「今週中に……」
「出来ないのか。お前らの復活の意志はその程度のものか、和音」
『出来ないとは言ってない。ただボーと留学していたわけではない』
「強気だな。期待している」
速水さんは俺たちの顔を順々に見て、じわりと口角を上げた。
そしてA6サイズの手帳を取り出し、スケジュール頁を開くと赤ペンで1週間後の日にちに花丸を付けた。
速水さんは期限に厳しい人だ。
1分1秒たりとも待ってくれる人ではない。
「カナリア」を越える歌、できると豪語したものの大変なことに頷いてしまったなと内心思った。
解散を突きつけて、俺の気持ちを確かめ本気にさせるーー吃音で話すことが苦手な俺に、解散したくなければ拓斗と奏汰を自分で取り戻して来いと、煽ったのだと。
「今週中に歌を作って来い」
「今週中に……」
「出来ないのか。お前らの復活の意志はその程度のものか、和音」
『出来ないとは言ってない。ただボーと留学していたわけではない』
「強気だな。期待している」
速水さんは俺たちの顔を順々に見て、じわりと口角を上げた。
そしてA6サイズの手帳を取り出し、スケジュール頁を開くと赤ペンで1週間後の日にちに花丸を付けた。
速水さんは期限に厳しい人だ。
1分1秒たりとも待ってくれる人ではない。
「カナリア」を越える歌、できると豪語したものの大変なことに頷いてしまったなと内心思った。



