イベント広場が近づくと、ベースギターとドラムの音に混じり数名の歌声が聞こえてきた。
あたしが「春先から注目されているグループ」だというと、和音くんは舞台に目を凝らし、耳を澄ませた。
和音くんにとって忘れられない音、忘れるはずのない音。
拓斗と奏汰のギターとドラムだと気づいた和音くんは、全力でイベント広場に駆け出した。
「Alice!」
和音くんは追いかけるあたしの声を振り切り、イベント広場の最前列に立ち、舞台に向かって歌い出だした。
聞こえてくる音に合わせるボーカルの歌声に、対抗するかのように歌った。
和音くんは和音くんに注がれる観客の何事かという鋭い視線を浴びながら、拓斗と奏汰の姿しか見ていなかったのかもしれない。
マイク越しのボーカルの歌声に、和音くんの声が掻き消されるのも御構い無しに、和音くんは声を張り上げ舞台に上がった。
あたしが「春先から注目されているグループ」だというと、和音くんは舞台に目を凝らし、耳を澄ませた。
和音くんにとって忘れられない音、忘れるはずのない音。
拓斗と奏汰のギターとドラムだと気づいた和音くんは、全力でイベント広場に駆け出した。
「Alice!」
和音くんは追いかけるあたしの声を振り切り、イベント広場の最前列に立ち、舞台に向かって歌い出だした。
聞こえてくる音に合わせるボーカルの歌声に、対抗するかのように歌った。
和音くんは和音くんに注がれる観客の何事かという鋭い視線を浴びながら、拓斗と奏汰の姿しか見ていなかったのかもしれない。
マイク越しのボーカルの歌声に、和音くんの声が掻き消されるのも御構い無しに、和音くんは声を張り上げ舞台に上がった。



