愛美はそっぽを向いたまま「まぁー」と言って、口を尖らせた。
「小日向、音は悪くない。ハーモニーだ。あんたの不安が伝染するよ」
仁科先輩は和音くんの顔を見て「なぁ」と同意を求めた。
「そそうだな」
「お互いがお互いの声をよく聞けよ。有栖川、ちょっと付き合え」
「!?」
和音くんは仁科先輩にギュッと、腕を掴まれ有無を言う間もなく引き摺られるように、音楽室を出て行った。
「花音……ごめん」
愛美が消え入りそうな声で言う。
「あの動画観て、あんなにすごいのに喋ると全く別人なのがイメージ狂っちゃって……LIBERTEの和音がと思うと……やっぱりショック」
「あたしも再会した時、ショックだった。リハビリの効果がなかったのかって」
「LIBERTE解散の噂も実際、どうなんだろうね。拓斗も奏汰も他所のバック演奏で不満はないのかな。花音、何か聞いてないの? 有栖川先輩から」
「小日向、音は悪くない。ハーモニーだ。あんたの不安が伝染するよ」
仁科先輩は和音くんの顔を見て「なぁ」と同意を求めた。
「そそうだな」
「お互いがお互いの声をよく聞けよ。有栖川、ちょっと付き合え」
「!?」
和音くんは仁科先輩にギュッと、腕を掴まれ有無を言う間もなく引き摺られるように、音楽室を出て行った。
「花音……ごめん」
愛美が消え入りそうな声で言う。
「あの動画観て、あんなにすごいのに喋ると全く別人なのがイメージ狂っちゃって……LIBERTEの和音がと思うと……やっぱりショック」
「あたしも再会した時、ショックだった。リハビリの効果がなかったのかって」
「LIBERTE解散の噂も実際、どうなんだろうね。拓斗も奏汰も他所のバック演奏で不満はないのかな。花音、何か聞いてないの? 有栖川先輩から」



