和音くんの頬に流れる涙が陽の光に照らされて輝いていた。
歌声が時々、掠れて言葉が聞き取れなくなるのを和音くんを取り囲む人たちの声援と歌声が優しく包んでいた。
和音くんは「カナリア」を最後まで歌い上げると、深々と頭を下げた。
「和音ーーーっ!!」
和音くんを呼ぶ幾つもの声が重なり、和音くんは取り囲む人たちに揉みくちゃにされながら、文句1つ言わずに1人1人と握手し笑顔を向けた。
たくさんのファンに囲まれて声援を浴びているのに、和音くんの笑顔も和音くんの瞳も憂いを帯びて、ひどく寂しそうだった。
和音くんがあたしの元に近づいて、手話で「ありがとう」と手を差し出すまで、和音くんの様子を公園の隅で、和音くんのヴァイオリンケースを胸にしっかり抱えて見守っていた。
和音くんはあたしの差し出したヴァイオリンケースを受け取ると「花音、また明日な。練習で」と、手話で伝えた。
歌声が時々、掠れて言葉が聞き取れなくなるのを和音くんを取り囲む人たちの声援と歌声が優しく包んでいた。
和音くんは「カナリア」を最後まで歌い上げると、深々と頭を下げた。
「和音ーーーっ!!」
和音くんを呼ぶ幾つもの声が重なり、和音くんは取り囲む人たちに揉みくちゃにされながら、文句1つ言わずに1人1人と握手し笑顔を向けた。
たくさんのファンに囲まれて声援を浴びているのに、和音くんの笑顔も和音くんの瞳も憂いを帯びて、ひどく寂しそうだった。
和音くんがあたしの元に近づいて、手話で「ありがとう」と手を差し出すまで、和音くんの様子を公園の隅で、和音くんのヴァイオリンケースを胸にしっかり抱えて見守っていた。
和音くんはあたしの差し出したヴァイオリンケースを受け取ると「花音、また明日な。練習で」と、手話で伝えた。



