綿貫和音が元のように歌えるようになって、LIBERTEに復帰するのを信じて……。
発着ロビーには、綿貫和音の帰国を嗅ぎつけたファンが溢れていた。
でも、知らされていた飛行機の到着時刻を30分以上過ぎ、次の飛行機からの乗客が続々とロビーに出てきても、和音くんは現れない。
痺れを切らしたファンや綿貫和音の帰国画像を狙っていた報道陣などがざわつき、口々に声をあげた。
「何だ。ガセネタ!?」
「和音、出てこないじゃん!」
苛ついた彼らの列がしだいに疎らになり、穿けていくのを見送る。
あたしは「帰ってこなかった」とガッカリし、下りエスカレーターに乗った。
ボーッとしたまま進行方向を見つめていた、あたしの目が一瞬、向かいの上りエスカレーターの青年を捉える。
「え!? あの人ーーAlice……和音くんに似てる」
発着ロビーには、綿貫和音の帰国を嗅ぎつけたファンが溢れていた。
でも、知らされていた飛行機の到着時刻を30分以上過ぎ、次の飛行機からの乗客が続々とロビーに出てきても、和音くんは現れない。
痺れを切らしたファンや綿貫和音の帰国画像を狙っていた報道陣などがざわつき、口々に声をあげた。
「何だ。ガセネタ!?」
「和音、出てこないじゃん!」
苛ついた彼らの列がしだいに疎らになり、穿けていくのを見送る。
あたしは「帰ってこなかった」とガッカリし、下りエスカレーターに乗った。
ボーッとしたまま進行方向を見つめていた、あたしの目が一瞬、向かいの上りエスカレーターの青年を捉える。
「え!? あの人ーーAlice……和音くんに似てる」



