「うんうん、わかってるから、早く食べよーぜ。」

隼人はそのまま席に着く。

「ちょっと!ちゃんと髪乾かして、服着ないと風邪ひくよ!」

「だって、お腹空いてんだもん。」

「さっきまで、お腹空いてるの気づいてなかったくせに。」

「でも今は、すんごーーーく空いてるの。」

「もう、仕方ないなぁ。」

オムライスをお皿に盛って、隼人に差し出した。

「あれ?美由は食べねーの?」

「せめて、髪くらい乾かさないと。
風邪ひいたら、私が世話しなきゃいけなくなるんだから。」

「え…なんで?」

「だっ……、と、とにかく、ドライヤーとってくるよっ!」


あ、あぶない。
またしても、転勤のこと言いそうになった。
いつも、家族の体調管理とか、風邪ひいた時の看病とか、香織姉さんが率先してやってくれてたもんね。
手際がいいっていうか、面倒見がいいっていうか。
今思うと、みんなのお母さんみたいな存在だなー。


「んー、やっぱ美由の作ったオムライスは最高!うまい!!」

「良かった〜」

ドライヤーを用意して、食べてる途中の隼人の髪を乾かし始める。

「へ…、な、なに!急に!!
俺、まだ、食べてるんだけど!!」

隼人の肩がビクッと震えた。
めずらしー!!

「うん。どーしても早く食べたいんでしょ。
だから、食べてる間に私が髪を乾かせば、同時に済むじゃん。」

「そ、それはそうだけど…」

あれ?隼人、ちょっと顔赤くなってる?
あ、そっか、ちょっと忘れてたけど、隼人、素っ裸なんだったー!!!!

確かに、自分が裸の時に、いや、私が隼人の前で裸になることなんてないけど、
後ろからドライヤーなんてかけられたら、ひとたまりもない…っていうか、呼吸さてまともに出来ない気がする!!