それって、どうゆう…

「それって、どーゆう意味だよ。」

心の中を覗かれた?!と焦って顔をあげると、隼人がドカッと私の横の席に座り込んできた。

「どーゆう意味かって?そのまんまだよ。
美由は我が家の大事な兄妹だし、兄として、妹には幸せになってほしいからな。」

「……どーだか。で、美由、何の話してたの?」

「えっと…」

「進路についてだよ。美由が大学行かないで働きたいっていうから、やめとけって言ってたんだよ。」

「働く?お前、パティシエになりたいんじゃねーの?」

「え?なんで知ってるの?」

「あ、いや、前に…聞いたことがあったから。で、どうなんだよ。」

隼人に言ったことあったかなぁ?

「うん。パティシエにはなりたいなって思ってるよ。
実は今バイトしてる洋菓子屋さんが、高校卒業したら見習いパティシエにならないかって声をかけてくれたの。

だから、それなら、見習いだけど、ゆくゆくはパティシエになれるかもしれないし、お金も稼げるし、いいかなって思ってるんだ。」


「そこまで考えてるのは、兄さん知らなかったな。でも、なら、専門学校とか行った方がいいんじゃないか?」

「行くメリットもあるけど、行かなくても立派なパティシエになってる人もたくさんいるし、自分が努力すれば行かなくても大丈夫じゃないかって思ってる。」

「そうか。なら、ひとまず、それを応援するよ。でも、専門なり大学なり、行きたくなった時はちゃんと相談するように。」

「はい。」

「次は、隼人。」

「なに?」

「お前ももうすぐ二年だろ。進路どうするんだ。」

「別に。まだ、考えてねーけど。」

「お前はしっかり大学行けよ。頭良いんだし。」

「……頭には入れとくよ。」


隼人が私をからかい始めた頃からかな、隼人は兄さんにもそっけなくなった気がする。

前は兄さんを尊敬してる!っていう感じだったんだけど、今はお世辞にも尊敬してるなんて言えない感じ。

なんか、寂しいな。