放課後のあの時間、

やっぱりあの子がいる

名前を聞いてみよう。

「あの、名前なんて言うんですか?」

「俺は上杉 優大(うえすぎ ゆうた)
1年だからきみと同い年じゃない?」

あ、聞いたことあるけど

でもこの人じゃないと思う

同い年なのか、

なんか喜んでる私がいる

「ねぇ、きみの名前は?」

「あ、えっと新田 由衣(にった ゆい)って言います!」




それから私たちは放課後の図書室でよく話すようになった

紅色に染まるあの時間を"マジックタイム"と呼んで


2人だけの魔法の言葉みたいに。