先生の背中。



昨日のことは忘れてもらおう。
なかったことにしてね…って。





「先生、あのさぁ…」



「ん?何だ?」



私の声が小さくて聞こえずらかったのか、先生は顔を私の方に近づけてきた。


すごくドキドキする。


本当になかったことにしていいのかな?
せっかく頑張って言ったのになかったことにするなんて…



でもなかったことにすることで私と先生の関係が戻って、先生が私にどう接したらいいのか悩まなくて済むなら…。




「昨日の告白、なかったことにしてほしい…。あれは多分私の勘違いだから。大人に憧れてただけだと思う。」



何故か先生は悲しそうな顔をした。




そして…

「俺が教師じゃなかったらよかったのにな…。そしたら昨日の返事だって断らなくて…」


ガラガラっ。