先生の背中。




スリッパをひきずる音…。

「長沢…?大丈夫か?」




…先生だ。
今一番会いたくないと思っていた人。

いや…違う。

もしかしたら私は先生に会いたくないなんて思ってないのかもしれない。



だって今先生に会えてすごく嬉しい。











私は寝ているフリをした。

先生は私の寝ているベッドの横にある椅子に座った。

先生は私のおでこに手を置いて

「熱はないみたいだな。」

と一言言った。


初めて会った日と同じ…。
あの日もこうやって手をおでこにあてて熱があるかないかを確かめてた先生。


先生の手自体が熱いのに、私の体温わかるのかな?




おでこから手を離し、先生は優しく私の頭を撫でた。





先生の手のあたたかさに涙が出そうになる。