「しゃ、社長……!」


その声にドアに目を向けるとそこには20歳くらいの年の男が立っていた。


長身に整った顔立ち、そしてなによりその若さに驚いた。


「話は聞いたよ、君、もう下がって」


「は、はい」


男はあっさり出ていった。そして入れ替わりに社長と呼ぼれた若い男が入ってくる。


「定期偽装ね〜、最近多いんだよねぇ」


この人なら行けるかもしれない


「……見逃してもらえませんか」


「無理かな」


無理だった


満面の笑みで断られ私の表情も少し崩れた。


「君、今この人なら行けるかなって思ったでしょ。浅はかだね〜」


その言葉に私は思わず男を睨んだ。


しまった、と思った時には遅く男の顔はなぜか笑っていた。そして立ち上がると私の方へ来た。


「いいねえ、その目」


男は私の顔を掴むと上を向かせた。


「俺好みだ」


「…………っ…………話してっ」


「その態度も好きだな〜、よし決めた!君、今日から俺の言うことを聞くこと」