そんな顔しないで

そう言って、李花はあたしの頬を平手打ちした。


「った...」


「関係無い人間は黙ってて。これ以上首突っ込んだら、何するかわからないから」


怖いぐらいに冷めた目で、あたしを見下ろす。
また乱暴にあたしを離して、李花は帰った。


取り残されたあたしは思ったより怖がっていたのか、腰が抜けて全然動けなくて。どうしようと考えていたら、


「...高橋さん?」


「あ...沖田(おきた)君」


沖田陽真(おきた はるま)君が声をかけてくれた。優しくて爽やかなイケメンだ。


「どうしたの?ほっぺた真っ赤...」


「ああ、ほっぺは全然大丈夫なんだけどさ」


「うん」


「...腰が抜けて、動けなくて...」


「ええ!大丈夫!?」


「うん...」


「ちょっと、とりあえず保健室行こう?」


「え、待ってまさか、あたし重...わっ!」


あたしの言葉も全部聞かず、沖田君はあたしをお姫様抱っこして、保健室まで運んでくれた。


「ありがとう」


「何があったの?...もしかして、いじめ、とか?」


「いやいやまさか!1体1だし」