そんな顔しないで

───────放課後。


非常階段に李花を呼び出し、八坂を先に帰らせる。
こんなところ見られたら、意味ないからね。


「どうしたの、千里からなんて珍しいね」


「...うん」


「何の話?」


「...ほんとはわかってるくせに」


イライラしたあたしはそんなことを口走る。


「は?ごめん、心当たりないわ~」


「いいよ別に。どうせ今から言うんだし」


「...なんか今日はやけに突っかかって来るわね」


「あのさ、八坂とのこと、協力してって言ったの李花だよね?」


「そうだけど?」


「あたしも八坂が好きって知ってたのにさ、よく浮気なんてできるね。あたしがおとなしく身を引いたのにもう他の人?冗談じゃないよ。あたしより好きだったんじゃないの?ふざけないでよ、八坂にあんな顔させないで!」


「...何を言ってくるかと思ったら、そんなこと?」


「はあ?そんなことって何よ、っうっ」


李花は、言い返したあたしの首を掴んで、乱暴に自分の方へ引き付ける。


「おとなしく身を引いた人間は、何を言う資格もないよね?もうあたしが奏汰とどうしようが何も関係無いじゃん?」


───パン!!