極上の愛をキミへ

落ち着け!あたし。

何度も、自分自身に言い聞かせる。


「高梨さん。こちらの方々です」


あたしに気付いた、受付の子が声を掛ける。

今は、仕事中だ。

ゆっくりと深呼吸をし、彼らの元へと向かった。


「お待たせして、申し訳ありません。先程佐伯様もいらして、朝比奈とお部屋でお待ちですので、どうぞ」


一方的に用件を伝え、あたしは彼らに背を向け、歩き出す。

いつもなら然程気にならない、エレベーターの待ち時間。

今は、とてつもなく長く感じる。

早く来なさいよ!!


「何イライラしてんだよ」

「別に。普段通りよ」


仕事中だということも忘れ、普段の口調で話してしまう。