極上の愛をキミへ

あの頃は、学生だった。

だから何も手に付かなくても、親に甘えて生きていけた。

でも、今は違う。

あたしも年を重ね、大人になった。

良い年して、親に甘えてなんかいられない。

仕事をしなければ、家賃も払えし、生活がままならない。

その為に、あたしは男に線を引くんだ。

どんなに流されようとも、冷静に、客観的に、今の自分の立場を忘れないように・・・

おかげで、恋に溺れることはなかった。

その代わり、今もあたしは彼に溺れたまま・・・

少しも、前に進めていない。

チラつく、彼の残像が・・・

何年経った今でも、あたしを自由にしてくれない。

忘れたいのに、忘れられない。

無かったことに出来たら、どんなに楽になれるだろう。