極上の愛をキミへ

「ご冗談ですよね?」

「冗談で、止めるか?ここに」


知らないよ。

男の言動全てが、あたしには理解しきれない。


「ほら、サッサッと降りろよ」


男に促され、仕方なく降りた。

男はピピッと今度は車の鍵をすると、マンションに向かって歩き出す。

てか、何で場所知ってるの?

あたし、教えた覚えがないんだけど。


「1つ、お聞きしてもいいですか?」

「なんだよ」

「どうして、ご存知なのですか?」

「何が」

「ここが、私の家だと」

「お前が酔い潰れた時、ここまでタクシーで来た。でもどっかの誰かさんが途中で寝たから、仕方なくうちに連れて帰ったんだ。タクシーの中で寝た、どっかの誰かさんは覚えてないだろうがな」


何という、嫌味たらしい言い方。