極上の愛をキミへ

「俺、お前のこと知らねぇから。行動だけじゃ、理解しきれねぇんだけど」

「あたしは、そちらの行動が理解致しかねます」

「だから、辞めろよ。その敬語。辞めねぇなら・・・」


男はまた顔を近づけようとしてきたので、男の口元を両手で押さえ、阻止する。


「何なんですか。からかうなら、他の子にしてください」


男は邪魔だと言わんばかりに、あたしの手を退ける。


「だから、お前だからだって」

「あたしだから、何ですか?」

「仕事のできる優秀な秘書のお前じゃなく、初めて会った時の、脆くて儚い本当のお前自身を知りたいんだ」


本当も何も、どちらもあたしは自身だ。