極上の愛をキミへ

「今のままじゃ、うちの会社は時代に置いていかれる。守りに入った会社に、未来はない。そう思わないか?」


秘書のあたしに、会社の未来を問われても、返答に困る。

でも男が聞きたいことは、そこじゃないのだろう。

地位のある男の言葉に、安易に同意してほしい訳でも、憂慮してほしい訳でもないのだろう。


「簡単に得られるものなんて、所詮その程度の価値しかないと思います。難色を示されようが始められた以上、成し遂げるしかないのでは?多かれ少なかれ、得られるものはあると思います。私の立場からは、こんなことしか言えません。無責任で、申し訳ありません」

「いや、充分だ」


男は、嬉しそうに小さな笑みを浮かべた。