極上の愛をキミへ

「・・・お疲れ様です」


寝惚け眼に映る、専務の顔はとても呆れていた。


「何してんの、お前」

「寝てた、みたいです」

「バカだろ」


専務は、隣に腰を下ろす。


「役員の方々は」

「さっき、全員返した」

「お疲れ様でした。専務は?」

「バカな秘書が、他所に迷惑掛けないように起こしに来た」


一々、言い方が腹立たしい。


「秘書の子たちが感謝してました」

「お前は」

「"秘書の子たちが"感謝してました」


同じ言葉だが、一部強調して伝える。


「素直に、ありがとう。って言えないわけ?お前の口は」


人の両頬を片手で掴み、専務は自分の方を向かせると、そっと唇を撫でる。