極上の愛をキミへ

「どうした、テル?」


不思議に思っていたのはあたしだけではなかったようで、専務が川口に尋ねる。


「・・・いや。なんでもねぇ」


テーブルの上の食器たちを慣れたように片付け、ごゆっくり。と一言残し、立ち去る。


「変な奴」


フッと小さな笑みを浮かべ、専務はコーヒーへと手を伸ばす。

そんな専務に続き、あたしもコーヒーを口にしようとしたら、鞄の中で携帯が震えた。

コーヒーをテーブルに戻し、会社の携帯を手に取る。


「会社からです。宜しいでしょうか?」

「どうぞ」


断りを入れ、電話に出る。


「もしもし、高梨です」

『本城です。今、電話大丈夫か』


バ課長?何かあったのだろうか?