極上の愛をキミへ

あたしは専務の何か言いたげな視線をスルーしながら、目の前の料理に手をつけた。

美味しい。

今度、亜弥と一緒に来ようかな。

きっと、亜弥も気にいるだろう。

そんなことを思いながら、黙々と箸を進めた。


「食後のコーヒーです」


食べ終わったのを見計らい、さっきの川口がコーヒーをテーブルに置く。


「ありがとうございます」


そう口にしたあたしのことを、川口は見てくる。


「何か?」

「いえ。お口に合いました?」


優しそうな笑顔で、尋ねられる。


「はい。とても美味しいかったです」

「それは良かった」


話は終わったはずなのに、川口は動こうとはしない。

まだ、何か?

不思議に思いながら、あたしは川口に視線を送る。