極上の愛をキミへ

「・・・川口さん」


心の中で呟いたつもりが、口から溢れる。

どこかで、会ったことがあるような?

あたしの気のせいだろうか?


「テルが気になるか?」

「テル?」

「あいつ」


そう言い、専務が川口へと視線を送る。


「いえ。どこかでお会いしたような気がしたもので」

「素直に言えば、協力してやってもいいぞ」


は?意味わかんないんだけど。


「結構です」

「あいつ。ここのオーナーだから、金は持ってるよ」


何、その情報。

全く、興味ないんだけど。


「勘違いなさっているようなので、言わせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「どうぞ」

「私は男の方に養って頂く気もなければ、男の方を一切信用していませんので」


あたしの言葉に、専務はニヤリと口元を上げた。