極上の愛をキミへ

結構うちの秘書課の子たちも、頑張ってるんだけどな。

それを、専務に説明する気も起きなかった。

どうせ、専務も男だ。

あたし達、女の気持ちなんてわからないだろう。


「お待たせ致しました」


さっきのカウンターの男が、料理をテーブルに置く。

美味しそう。


「珍しいな。お前が女と2人で、うちに来るなんて」

「仕事で近くまで来たから、腹減ったついでに寄った」

「へぇ」


男は意味深な視線を、こちらに向けてくる。


「朝比奈の秘書の高梨です」


一応、男に名乗る。


「どうも。ここのマスターの、川口です。ゆっくりしてって」


そう言うと、男はカウンターへと戻って行った。