極上の愛をキミへ

遊び疲れたのか、気付くと春都は朝比奈の腕の中で寝てしまった。


「重いですよね?今、布団・・・」

「大丈夫だ。このままで良い」


優しい瞳で、朝比奈は春都を見つめる。


「なぁ。春都の父親って、どんな奴?」

「強引で、自分勝手な人かなぁ」

「ひでぇ男じゃん」


確かに、改めて思うと酷い男だ。


「そうですね。でも、相手のことを思える優しい人です」

「優しい人ねぇ」


春都から視線を移し、朝比奈はあたしのことを見る。


「優しいなんて、生まれて初めて言われた」

「だ、誰も、朝比奈専務だとは言ってません」


都合が悪くなり、あたしは朝比奈から視線を逸らす。


「結衣」


久しぶりに朝比奈から名を呼ばれ、引き寄せられるように、再び朝比奈に視線が向かう。