「だが、1人で子育てをすると言うのは、簡単な話ではない。身近に頼れる人が居ないというのは、心細いだろう。移動の件だが、高梨くんの地元にもうちの系列会社があるだろ?そこを考えてみてはどうかね?決して、左遷と言うわけじゃない。だから高梨くんが残りたいと言うなら、その意志を尊重するが」


社長は、あたしのことを心配して言ってくれている。

それに社長が言うように身近に頼れる人が居るのは、確かに心強い。


「お願いできるのでしたら、それでよろしくお願いします」

「わかった。1日でも早く移動出来るよう、私からも言って置こう」


頭を下げ、席を立つ。

そして自分のデスクへと、戻った。

ここで働くのも、後少し。

入社して、お世話になった会社。

色々あったが、ここて働けて良かった。

そんなことを思いながら、あたしは仕事をこなした。