極上の愛をキミへ

自分の中に宿った、小さな小さな命。

この命を生かすも殺すも、あたし次第。

この子には、あたししかいない。

それに、この子の父親は彼だ。

彼が最後にくれた、大切な贈り物だ。

そんなこの子を殺すなんて、あたしには出来ない。


「お母さん。あたし、産みたい」

『そう。なら、強くなりなさい。お腹の子の為にも』

「ありがとう。それと、ごめんね」

『何がごめんねよ。お母さんは嬉しいわよ?一生、孫の顔なんて見れないと思ってたから』


・・・お母さん。


『何かあったら、すぐに連絡しなさい。飛んでいくから』

「うん。ありがとう」

『体には気を付けるのよ。もう、1人の体じゃないんだから。じゃあね』


電話を切り、少しだけ気持ちが軽くなった。