極上の愛をキミへ

あたしは、頷くことしか出来なかった。

そんなあたしを見て、朝比奈は静かに部屋を出て行く。

ドアの音が、やけに鮮明に聞こえたのは気のせいではないはず・・・

まるで、あたしと朝比奈の終わりの合図のようだった。

あたしが好きになった人は、2人とも優しく、残酷な人たち・・・

でも、彼らにそうさせてしまったのは・・・

紛れもなく、あたし自身だ。

何が悲しいのか?

何が苦しいのか?

そんなことさえわからぬまま、ただ涙が溢れた。

あたしはいつから、こんなに弱くなったのだろう。

もしかしたら、初めからあたしは弱い人間だったのかもしれない。

無理して、ただ強がっていただけなのかもしれない。

だとしたら、あたしはなんて哀れな人間なのだろう。