極上の愛をキミへ

「あ!そうだ」


そう言うと、お母さんは慌ただしく立ち上がる。

そして一通の手紙を手に、戻って来る。


「結衣に、手紙来てた」


手にしていた手紙を、お母さんがあたしに手渡す。

誰だろうと思い、送り主を確認する。

え?

予想もしていなかった相手からの手紙に、驚きのあまり手紙を落としそうになる。


「お母さん。この手紙、いつ来たの?」

「確か・・・先週の水曜か、木曜だったと思うけど」


先週?

それでも、可笑しな話だ。

だって・・・

もう何年も前に、送り主はこの世を去っている。

でも、この字は・・・


「結衣。手紙寄越した子に、今の住所教えてないの?」


教えるも何も、手紙の相手と、もう会うことさえ出来ない。