だからあたしはもう1度、同じ言葉を口にした。


「ごめんなさい」


前に進みたいと望みながら、進むのが怖い。

朝比奈への思いを認める、一歩が・・・どうしても踏み出せない。


「本当に、ごめんなさい」


頭を下げ、あたしは足早にその場を後にした。

自分の部屋に帰って来るなり、考えることを放棄したあたしはソファに体を預けていた。

そして、気付けば朝を迎えようとしていた。

今日から、せっかくの休みだと言うのに・・・

モヤモヤもした気持ちのせいで、全く楽しめそうにない。

寝ずに朝を迎えたせいか、何もする気が起きない。

だからと言って、こんな気持ちじゃ寝れそうにない。

盛大なため息を零した時、携帯が鳴った。