極上の愛をキミへ

「専務には、わたしから伝えておく」

「よろしくお願いします」

「あぁ」


そう言うと、社長と課長はその場を後にした。

2人の背中を見送り、まだ騒がしい会場内を見渡す。

早く帰んないかなぁ、この人たち。

そんな失礼なことを思いながら、隅でひっそりとしていると、そこに将生がやってくる。


「お疲れ」

「お疲れ」

「色々、大変だったらしいんじゃん」


チラッと、将生は意味有りげな視線を寄越す。


「まぁ、色々ありましたよ」

「で?」


で?って、何が?

将生の意味不明な問いに、視線だけ送る。


「何が言いたいのか、さっぱり伝わらないんだけど」

「誤魔化すつもりかよ」


誤魔化すも何も、話すら噛み合ってませんから・・・