極上の愛をキミへ

「朝比奈専務とあたしは、役員と秘書です。それ以外の関係になるつもりは、あたしはありません」


はっきりと言い捨てたのは、朝比奈と一緒に過ごした時間をなかったことにしよう。

そう、自分に言い聞かせるためだったのかもしれない。

時折見せてくれた、朝比奈の優しさもすべて・・・

あたしの言葉に、力を無くしたように朝比奈の手が離れる。

朝比奈の温もりがなくなり、少しだけ恋しくなる。

何考えてるのだろう、あたしは。


「すいません。お先に失礼します」


頭を下げ、足早にその場から立ち去った。

込み上げる切なさを押し殺しながら、自分の部屋に着くなり、シャワーを浴び、布団に包まる。

あたしは、疲れているんだ。

だから人の温もりに触れて、甘えたくなっただけだ。

そう、自分に言い聞かせた。