彼は、最低な男。

笑顔の仮面の下に、たくさんの嘘を持つ男。

そう、彼のことを否定し続ける癖に・・・

彼のことを忘れられないあたしは、本当にどうしようもうない女だ。

何度理解しようとしても、彼のことを庇ってしまう。

彼は、そんな人じゃない。

そう、思いたい自分が消えてくれない。

あんなに、苦しい想いをしたのに・・・

彼との時間(過去)が、今もあたしのことを縛り付ける。

こんな思いをするくらいなら、出会いたくなかった。

込み上げる感情と共に、涙が溢れそうになる。

グッと涙を堪え、あたしは店を後にした。

帰り道の道中、気付いたら堪えていた涙が溢れ出す。

涙で、視界が滲む。

そのせいで、自然と足が止まった。