「お待たせしました」


言葉と同時に、注文したものが置かれる。

すぐさまビールへと手を伸ばし、ゴクゴクと体に流し込む。


「すいません。生1つ」


空いたグラスを見せ、再び生を注文する。

そんな店員とのやりとりを4、5回繰り返した頃、ふと脳裏に彼の顔が浮かぶ。

彼は、いつも笑っていた。

そんな彼と過ごした時間は、それはそれは楽しい時間たちだった。

あたしと彼の間に、1度たりとも喧嘩と言うものはなかった。

喧嘩になるような、ことすらなかった。

なのに・・・

彼は、突然あたしに別れを告げた。

順調そのものだった、あたしと彼の恋は・・・

彼によって、強制的に終止符を打たれた。