佐伯くんと主従関係

別に彼氏がいなくて困ったことなんてない。



彼氏がいる人を心底羨ましいと思ったこともない。



なに言ってんだろうほんとに…



「わ、私戻りますねっ、し、失礼します」



何も言わない蒼さんに恥ずかしさが増して、私はそそくさと背中を向けた。



「結衣ちゃん」



ドアノブに手をかけたところで蒼さんが呼び止める。



ぴくり、肩が揺れた。