佐伯くんと主従関係

「な、何でって…」



「俺が欲しいくせに」



クイ、と顎に触れ蒼さんは顔を近づけた。



きっと麻痺してたんだと思う。



逃げなきゃとか、抵抗しなきゃ、とか分かってたのに。



「っ」



私はこのとき初めて



自らその目を閉じた。



ゆっくり触れた体温に、言い知れぬ何かが胸の中をいっぱいにして。



訳がわからなくて頭は真っ白で。