「ジングルベール、ジングルベール、ふーふーふーふふーん」



「鈴が鳴る、くらい歌ってよ…」



詩織さん騒動から2ヶ月が経ち、世間はもうすっかりクリスマス仕様。



掃除をしながらクリスマスソングを歌う私に、冬休みなうの悠くんが突っ込む。



「あ、鈴が鳴るって言うんだっけ?」



「そこの歌詞忘れる人初めて見た」



冬が深まるにつれ掃除も苦になってきた。



さすがに廊下にまで暖房は広がらず、リビングを出ると凍えるような寒さが肌を刺す。



「ううっさぶい…」



さすさす、と体を包みながら廊下を走った。