佐伯くんと主従関係

「はい、ありがとうございます」



軽く頭を下げたときに一瞬見えた詩織さんの表情。



どこか満足げで。



その表情の意図は分からないけど、直感的に恐ろしいと思った。



失礼します、と食堂を出て深呼吸。



「…カップルで泊まりたいならホテルくらい行ったらどうなの」



自分の部屋へと歩きながら独り言。



広すぎる廊下には私の声が響かない。