佐伯くんと主従関係

「…言い方が悪いかもしれないけど、私のときはもっとまともな選び方だったはずだもの」



…まとも。



私はまともじゃないってこと



「今回採用を決める役割だったのは俺じゃなく蒼だ」



「あら、そうなの?」



私もそれは初耳だ、と蒼さんに目を向ける。



何も言わず夕ご飯を食べる蒼さんは数秒遅れてこちらに目をやった。



「できるだけ素直な人を採用した。それだけ」



「蒼の言う素直って結衣さんみたいな人のことを言うのね」



時々トゲのある言い方をする詩織さんの言葉は小さく胸に刺さっていく。