佐伯くんと主従関係

綺麗なきっかけなんてない。



それらしい動機もない。



あるのはただ一つ、人間らしい答えだけ。



「お金…?」



「そ、そうです」



予想外の答えだったのだろう、詩織さんは私のことを眉を寄せながら見ている。



こんな人を採用したのか、そう思ってるだろうことは顔に書いてあるかのように読み取れた。



「郁人さんも随分変わったのね」



「?…どういうことだ?」