佐伯くんと主従関係

私だけが知らない。



もはやそれは恐怖にも値した。



今日のことだって私はなにも…



そう顔を下げ、今にも泣き出してしまいそうだったときだった。



「結衣」



名前を呼ばれ、顔をあげようとしたその瞬間



グイッと肩を引かれ、誰かと体が密着。



その声は胸の奥に沈み、そして高鳴りを連れてきた。



「そ、蒼さん…っ」



「見て」



空の上を指す蒼さんの人差し指。