それこそ確かに、キスなんてあっという間にできてしまう距離だ。



「バカ、こっち見ろよ結衣」



「み、見ません!…は、早く起きて…っ」



必死に顔を背けながらビクともしない幹也さんを押し返していると、



「うお…!」



幹也さんの短い声と共に、乗っかっていた体重がふと軽くなった。



はて?と顔を上げると、蒼さんが呆れた顔をしながら幹也さんの襟元を掴んでいる。



「ここ居酒屋だから」



…ごもっともです