佐伯くんと主従関係

過去を知らない私だけが変えられる。



そう思ったらもう、ウダウダ考えてられないなって。



「何があったか知らないですけど、そんなツンツンしてたらおデコにシワ!できますよ」



自分の額を指差し眉を寄せて見せる。



「…ふ」



と、先に表情を崩したのは幹也さんだった。



「…はぁ」



それに続いて蒼さんもその張り詰めていた糸を緩める。



「結衣ってほんと…はは…っはははっ」



そんなに面白いことをしたつもりはないのに、幹也さんは声を上げて笑った。