佐伯くんと主従関係

『おい郁人いまのなんの音!?』



『バカ、音じゃない声だ声』



きっと幹也さんだろう叫び声が電話越しに聞こえた。



目の前のお母さんも怪訝な顔をして耳を塞いでいる。



なんとかジェスチャーで伝えようとするが、お母さんは「何言ってんのよ」と呆れ顔。



『げ、元気な返事をどうもありがとう。……こちらはいつでも良いのですが、いつから出勤のご都合がつきますか?』



「あ、ああ、あ、明日にでも!!」



頭が混乱して、考えもせずそんな返事をした。



『あ、明日!?…親御さんに相談などしなくても「大丈夫です!!」



何も大丈夫なことはないと思うが、そんなこと考えてる余裕がない。