「 出た… 言ったよ、よく飽きないな 」
卯生の友達、光邦 寛太(カンタ)
ある意味、恋敵?
いや、そうじゃなくて… 卯生の隣にいつもいるから私は独り占めできない。
それが悔しいから……
睨む。
「 おはよ、凛 」
「 うん! もっと言って、私の名前 」
「 おはよう、棚田 」
あんたはいいの!
凛… この卯生の声がすごくたまんない。
その声に呼ばれるのは幸せ。
あ~ 声に縛られる……
「 棚田、もう教室行ったら?」
「 光邦のくせにっ 卯生、またね!」
私の1日はこうして始まった。
こんな私を疎ましく思う女子もいるけど、みんなは私が卯生を好きだと本気で思ってない。
簡単に好きだと言うせいか、真剣に受け止められてない。
でも、私は卯生が好き。
だから自分のために伝えてるだけ。